鬼平犯科帳 第4話 浅草・御厩河‪岸‬

幕府の警察組織は、捕らえた犯罪者のうち見どころのある人間を改心させて密偵として利用することがある。小房の粂八もそうであり、親子二代にわたる盗賊・岩五郎もその一人である。彼らは密偵を務めるという条件で命の保証を得ているのだ。浅草で居酒屋を営む岩五郎は表向きは妻子、義母とともに典型的な小市民的な暮らしを営んでいるが、持ちかけられた鮮やかな盗みの計画に、盗人としての美学をくすぐられてしまった。