かがくせんたい ぴーこさん
たたかう『いでんし』のおはなし
Publisher Description
この絵本はひょっとしたら、ちょっとこわい話かもしれません。しかし本当にこわいのは、この絵本ではなく、タバコの害を知らないことなのです。
この絵本は科学の視点にもとづいて描かれています。他人に迷惑だから、という表面的な言葉ではなく、科学が明らかにしている、体のタバコに対する反応を、ごくおおざっぱにですが論理的に説明しています。
登場するヒーローの「ぴーこさん」は誰の細胞の中にもある「p53遺伝子」の化身(アバター)です。実際には、p53遺伝子は絵とは異なり、複雑な形をしていて、環境の影響でとても変異しやすい。タバコに含まれるベンゾピレンという物質が、このp53遺伝子を壊してしまうことが分かっています。細胞には本当にヒーローみたいに戦って悪から命を守る仕組みがあるのですが、それを台無しにするのがタバコなのです。
生命の働きは不思議で、それゆえ魅力的で、この絵本を読むことで、子供は科学に興味をもつきっかけをつかむかもしれません。
また、この絵本を読むと、あなたの子供は世界が矛盾だらけだと知るでしょう。あなたは子供の質問責めにあうかもしれません。その質問に、同じ高さの目線で丁寧に答え、話し合ってもらいたいと、作者として願わずにはいられません。