オヂュッセーア 上
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Publisher Description
(この本について)
この本はホメーロス作、土井晩翠訳の「オヂュッセーア」(オデュッセイア)です。
以下のような構成になっています。
『オヂュッセーア 上』
第一歌 —— 第十二歌
『オヂュッセーア 下』
第十三歌 —— 第二十四歌
この本は、その上巻にあたります。
この本の「序」に土井晩翠は次のように書いて、この訳業に対する意気込みを語っています。
「……まして語脈文脈の全然相違する日本語をもってギリシャ原典を韻文化することは至難である。しかし『イーリアス』訳と同様に私は本篇の heroic hexameter 毎行を七五複行に直し、原典と等しく一万三千余行に訳了した。西欧文化の東漸以來、ダンテ、シェークスピア、ゲーテ、ユーゴー等の翻訳は無数に刊行されたが、最高のホメーロスの韻文律はまだない。叙事詩は韻文に訳すべしと信ずる私は微力を尽して、ここに陳呉の役を勤めた。」
この土井晩翠の畢生の訳業を復刻、電子化するにあたり、その訳業の偉大さに鑑み、訳文を忠実に再現することを第一に心がけました。
しかし、現代人にも容易に読めるように、以下の点だけ読みやすさを考慮して改めました。
1、読者が声に出して読めるように、読みにくい漢字にはできる限りルビをふりました。その際、可能な限り国立国会図書館デジタルコレクションの土井晩翠の手書き原稿に当たって調べ、そこにルビがない場合は、本文の五七調、七五調にあうようにルビを振りました。辞書にない熟語などで判断に迷う場合は、これを見送りました。
2、明らかな誤字、脱字、欠落した行などは手書き原稿によって訂正しました。
3、二字分下げて二段階小さな文字表記になっているものは、原書にあった訳者による注です。割り注の中にある注は、編集者のつけた注です。
4、全体の梗概、各歌の梗概については、読みやすいように改行を入れました。
5、「序」のみ新漢字、現代かな遣いに直しました。
また、底本は以下のとおりです。
オヂュッセーア
冨山房
昭和十七年十二月二十八日印刷
昭和十七年十二月三十日発行
昭和十八年八月三十一日再版発行
(古典教養文庫について)
*ホームページができました(https://kotenkyoyo.com/)。ぜひ膨大な古典教養文庫の作品群をご覧ください。
古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。
1、古典として価値あるものだけを
これまで長く残って来たもの、これから長く読み継がれていくものだけを選んで出版します。
2、読みやすいレイアウト
文章のまとまりを、適切な改ページで区切って、電子書籍デバイスはもちろん、スマートフォンやタブレットなどでの読書に最適化しました。またMacやパソコンでも読むことができます。
3、すばやい操作性
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4、美しい表紙
プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。書籍と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。
5、スピーディーな改版
紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。古典教養文庫のホームページに書き込むことで迅速なレスポンスが得られます。