写真集 テントウムシの四季
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Publisher Description
本書は、身近な昆虫、テントウムシに焦点をあて、神奈川県で撮影した写真で構成した写真集です。テントウムシというと、ナナホシテントウがよく知られていますが、それ以外にも多くの種が身の回りで見られまます。また1年を通して、幼虫から蛹や成虫まで、いつでもどこでも探せば必ず出会える昆虫でもあります。しかしながら、そのほとんどが体長数ミリと小さく、またほとんど真っ黒にしか見えないものも多く、よほど注意していないと見過ごしがちな昆虫でもあります。
昆虫の写真を撮り歩いていると、毎回かなりの頻度でテントウムシを見つけることができます。また、時にはあまり見たことがない種に出会えることもあります。そうやって撮りためた中から写真を選定していったら、ちょうど10種類のテントウムシが写っていることがわかりました。
さて、その10種類ですが、ナナホシテントウは言うに及ばず、数のうえでは圧倒的に多いナミテントウ、それから最近は神奈川県でも増えてきているダンダラテントウが大半を占めることになりました。中でもナミテントウは斑紋パターンがいろいろあって、全てではないにしても複数のバリエーションを見ることができます。もともとは南の方が生息地域だったダンダラテントウですが、斑紋を変えながら、しかも黒っぽい姿のものが神奈川県でも数を増やしてきています。これらはいずれも、植物につくアブラムシを食べてくれる肉食系なので、畑やガーデニングの頼れる存在でもあります。
テントウムシには、肉食系の他に草食系の種もいて、本書では植物の葉を食べるトホシテントウとルイヨウマダラテントウの2種を載せています。植物の葉を食べるといっても、自然の中で生態系のバランスが取れていれば、大量に発生することはまずありません。これら草食系のテントウムシは、上翅に細かな毛が生えているのが特徴です。
テントウムシの中には、3ミリ前後と、とても小さな種類がかなりいます。本書では、シロホシテントウ、ヒメアカホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、ヨツボシテントウの4種を載せています。またそこまで小さくはありませんが、ナミテントウと紛らわしいシロジュウシホシテントウというのも載せることができました。
テントウムシはどれも小さな昆虫で、さらに意外に早く走り回っています。そのような昆虫の写真を撮影するのはなかなか大変で、オートフォーカスではうまくピントが合わないことがあります。小さい昆虫をある程度の大きさで写すためには、絞りを絞らなければならず、走り回っているとシャッター速度も上げる必要があります。そこで、足りない光をフラッシュで補う、そういう撮り方でなんとか使える写真を得てきました。撮影に欠かせないフラッシュも、光沢があって光を反射してしまうテントウムシ相手では、不自然な白飛びが目立ったり、コントラストが極端に大きくなったり、撮影時に確認できないことばかりで苦戦を強いられます。
それでも、なんとか撮ることができた写真からは、この小さなテントウムシの魅力がひしひしと伝わってきて、撮影時の苦労もすぐに忘れることができます。そんなテントウムシが次々に出てくる、他にあまり類書がないような写真集ですが、お楽しみいただけたら幸いです。
<目次>
はじめに
テントウムシの種類
第1章 春
第2章 初夏
第3章 夏
第4章 秋から冬
おわりに
撮影データ
<著者紹介>
Mushiqubo(ペンネーム)、横浜市在住。
<著者のウェブサイト>
2000年からネイチャーフォトを中心に日々の散策で撮影した写真を自身のウェブサイトに掲載してきました。2011年からは現在のウェブサイト「Mushiqubo’s Photo Gallery」で、ブログ風に短い文章を添えて日々写した写真を発表しています。
Mushiqubo’s Photo Gallery (Mushiqubo Page): https://mushiqubo.jimdofree.com/
2020年4月には、『「花ときどき虫」または「虫ときどき花」』をテーマに、花や昆虫の写真を紹介するInstagramを始めました。スマホでは撮れないような写真を、なるべく目指すようにしています。
Instagram: https://www.instagram.com/mushiqubo/