



写真集 ヒゲナガの飛びかう春の野山
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- $1.99
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Publisher Description
本書は、チョウ目(鱗翅目)の中のヒゲナガガ科(読みにくいので本書のタイトルや本文ではヒゲナガとしています)に属する昆虫を取り上げた、たぶん他にあまり例がない写真集です。ヒゲナガは体長1センチにも満たない、黒っぽい小さな蛾の仲間の昆虫です。蛾というと嫌われものの昆虫の代表かもしれませんが、それほど近づきにくい姿をしているわけではありません。たぶん大多数の人にとっては、居てもいなくても気にならず興味を持つ対象にもならない、そんな存在でしょう。しかしよく見ると、また調べながらいろいろわかってくると、なかなか興味深いところが見えてくる、そんな昆虫でもあります。
ヒゲナガというだけあって、オスは体長の数倍はある白いヒゲ(触角)を持っています。メスの触角はそれほどではありませんが、それでも十分に長くて目立ちます。このような昆虫がいることを、これまで知ることがなく、2020年の春にふとしたことから見かけて、それ以来ずっと気になっていた存在でした。しかし、私の撮影フィールドである横浜市やその近隣では、見られるのは4月下旬から5月上旬のわずかな時期だけです。そんなヒゲナガですが、2021年から2024年の4年間に撮った写真がある程度たまってきたので、ようやく本書を完成させることができました。
出版のための準備を進めている真夏の今は、この小さな昆虫のありのままの姿を写真に収めようと歩き回っていた頃が、なつかしく思いだされています。春の野原をふらふら飛んでいるヒゲナガ、それが時々草に止まって、何やら触角をぐるぐる回すしぐさ、時には花に来て多分蜜を食べているであろう様子など、その光景を鮮明に思い出すことができます。存在を知ってからわずかな期間しか経っていませんが、その間このヒゲナガにはずっと興味を引きつけられてきました。
ヒゲナガはあまり知られていない昆虫だと思うので、最初にその生態やいる場所、探し方などを簡単に解説しています。また、本文を構成するのはヒゲナガの写真なので、多少のバリエーションを持たせる意味で、他の昆虫を取り上げた8編のコラムを載せました。そのコラムに登場するのは、ヒゲナガの撮影の時に同じ場所で出会った昆虫たちです。これらの昆虫は、ヒゲナガよりは行動範囲が広いと思うので、場所はともかくとして、春になってこれらの昆虫をよく見かけるようになったら、ヒゲナガもどこかに姿を現しているかもしれません。
ヒゲナガという、あまり知られていない昆虫をテーマにした写真集ですが、このような昆虫が飛び回っている春の野原の風景を思い浮かべながら、本書をお楽しみいただければ幸いです。
<目次>
はじめに
ヒゲナガという昆虫について
ヒゲナガの生態について
ヒゲナガのいるところ
ヒゲナガの探し方
(ヒゲナガの写真:52ページ)
コラム1 アブといっしょに一休み
コラム2 テントウムシの眼の先には
コラム3 ハチもいっしょに一休み
コラム4 幼虫も黒っぽいヒメギス
コラム5 なんでも良く食べるスジコガネ
コラム6 綺麗な模様のホソヒラタアブ
コラム7 まだまだ若いフキバッタ
コラム8 とても謙虚なヒラタハナムグリ
おわりに
撮影データ
<著者紹介>
Mushiqubo(ペンネーム)、横浜市在住。
<著者のウェブサイト>
2000年からネイチャーフォトを中心に日々の散策で撮影した写真を自身のウェブサイトに掲載してきました。2011年からは現在のウェブサイト「Mushiqubo’s Photo Gallery」で、ブログ風に短い文章を添えて日々写した写真を発表しています。
Mushiqubo’s Photo Gallery (Mushiqubo Page): https://mushiqubo.jimdofree.com/
2020年4月には、『「花ときどき虫」または「虫ときどき花」』をテーマに、花や昆虫の写真を紹介するInstagramを始めました。スマホでは撮れないような写真を、なるべく目指すようにしています。
Instagram: https://www.instagram.com/mushiqubo/