明君家訓集[明君家訓]
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Publisher Description
明君家訓集[明君家訓]
【判型】半紙本2巻2冊。縦227粍。【作者】室鳩巣作。【年代等】江戸中期刊。刊行者不明。【備考】分類「往来物・教訓」。正徳5年刊『明君家訓』に挿絵を施し、外題を「明君家訓集」と改めた改題本。『明君家訓』は広範な流布を遂げた一方で異称が多く、『水戸黄門光圀卿御教誡書』『水戸黄門示家臣条例』『水戸黄門光圀公示賜群臣条令』『水戸黄門義公家訓』『源義公御家訓』『水戸光圀卿御条目』『水戸条例』『水戸(黄門)家訓』『西山公御家訓』『白川候家訓』『奥州白川侍従菅原定信侯一家中え掟書』などがある。もともとは『楠諸士教』または『仮設楠正成下諸士教』の書名であったと推定され、同書には元禄5年1月の室直清の序文があったが、書肆・柳枝軒によって原作者名と序文が省かれ、さらに『明君家訓』の外題で出版された(上巻首題は『楠諸士教』と『明君家訓』の2種ある)。このように原作者不明のまま刊本・写本の形で大いに流布した結果、徳川光圀撰作説を始め、徳川吉宗説、楠木正成説、松平定信説、さらに刊本の『明君家訓』が『(広益)武士訓』中の1冊として販売されたために井沢長秀説までもが登場し、同時に種々の異称を生むに及んだ。本書は、賢君の本務とともに家臣の心得全般を述べた家訓で、刊本は上巻11カ条、下巻9カ条の全20カ条から成る。その概略は、第1条「理想的君臣と国政のあり方」、第2条「学問の主旨」、第3条「孝順・友愛」、第4条「節儀の嗜み」、第5条「貞心」、第6条「礼譲謙退」、第7条「質直朴素」、第8条「家老頭分の心得」、第9条「寄合における礼儀」、第10条「武備の心懸け」、第11条「武士の善悪」、第12条「葬送の礼法」、第13条「喪服(服忌)」、第14条「犯罪人の対処」、第15条「寄合における料理」、第16条「質素倹約」、第17条「家の作事」、第18条「武士に不要の物」、第19条「分限相応」、第20条「四民の義理」である。本文をやや小字・7行・付訓で記す。なお、本書の第1条の全文に第3・4条の抜粋など若干の増補を加えた『天筆和合楽』が弘化4年に出版されたが、その題簽・見返から明らかなように、同書は光圀撰作説に従っている。なお、下巻第32丁の次に「廿五」の丁付けとなり、以下丁付けが乱れているが、収録内容はこの順序で正しい。末に「文久二年」の書き入れがある。後半に、本書の先行書2本を抄録した(内題・刊記などに異同がある)。