樋口一葉大‪全‬

樋口一葉の青空文庫所収の全作品を年譜を付けて、年代順に収録しました。


(樋口一葉について)


樋口一葉は、一八七二年(明治五年)、東京に生まれました。本名は夏子、戸籍名は奈津と言います。中島歌子に歌や古典を学び、半井桃水に小説を学びました。貧困に苦しみながらも「たけくらべ」「にごりえ」などの傑作を次々と生み出しましたが、二十四歳という若さで肺結核により死去しました。その生涯の中で、特に亡くなるまでの一年二ヶ月の期間に日本の近代文学史に残る作品を残しました。この「大つごもり」から「裏紫」を書いた期間は「奇跡の十四か月」と呼ばれています。


この作品集の収録作品は以下の通りです。


一八九二(明治二十五)年

闇桜(新字旧仮名)

経つくえ(旧字旧仮名)

別れ霜(旧字旧仮名)


一八九三(明治二十六)年

雪の日(新字旧仮名)

琴の音(新字旧仮名)

琴の音(旧字旧仮名)


一八九四(明治二十七)年

大つごもり(新字旧仮名)

大つごもり(旧字旧仮名)

花ごもり(旧字旧仮名)


一八九五(明治二十八)年

たけくらべ(新字旧仮名)

たけくらべ(旧字旧仮名)

軒もる月(新字旧仮名)

軒もる月(旧字旧仮名)

ゆく雲(新字旧仮名)

ゆく雲(旧字旧仮名)

うつせみ(新字旧仮名)

うつせみ(旧字旧仮名、講談社版)

うつせみ(旧字旧仮名、博文館版)

にごりえ(新字旧仮名)

にごりえ(旧字旧仮名、講談社版)

にごりえ(旧字旧仮名、博文館版)

十三夜(新字旧仮名)

十三夜(旧字旧仮名、講談社版)

十三夜(旧字旧仮名、博文館版)

雨の夜(新字旧仮名)

月の夜(新字旧仮名)


一八九六(明治二十九)年

わかれ道(旧字旧仮名、講談社版)

わかれ道(旧字旧仮名、博文館版)

あきあはせ(新字旧仮名)

すゞろごと(新字旧仮名)

うらむらさき(旧字旧仮名)

この子(旧字旧仮名)


その他の作品

さをのしづく(旧字旧仮名)

反古しらべ(旧字旧仮名)


また、付録として一葉について書かれた作品を幾つか収めました。


宮本百合子人生の風情

長谷川時雨樋口一葉

久保田万太郎一葉の日記


(古典教養文庫について)


古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。


1、古典として価値あるものだけを

これまで長く残って来たもの、これから長く読み継がれていくものだけを選んで出版します。

2、読みやすいレイアウト

文章のまとまりを、適切な改ページで区切って、電子書籍デバイスはもちろん、スマートフォン、タブレットでの読書に最適化しました。また、詩の一編一編など、小見出しにも索引を付けましたので、目次から直接アクセスできます。

青空文庫をベースとしている場合も、適切に処理してありますので、そのまま青空文庫の物をダウンロードして読むよりも格段に読みやすくなっています。

3、美しい表紙

プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。書籍と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。

4、スピーディーな改版

紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。