軍は在満の一般邦人を見捨てた
満州引き揚げの記録
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日本の敗戦が色濃くなった第二次世界大戦末期、日本が統治していた満州国(中国東北部)に日ソ中立条約を破ってソ連兵が侵攻。事前に日本敗戦の情報を掴んでいた日本軍(関東軍)は一般の在邦人を置いて密かに日本に帰国、守ってくれるはずの軍も政府もない日本人街は混乱を極める。満州に在住していた筆者は幼い娘を連れてソ連兵から逃れるため、屋根裏に隠れるが「日本人(ヤポンスキー)はいないか」と怒鳴る声がだんだんと近づき…。現在95歳の筆者が大正時代に満州に生まれ育ち、終戦後にアメリカの輸送船で舞鶴港に引き揚げ帰国するまでの体験を、当時の満州の生活文化も交えて描く。