〈雛形〉匠家秘伝[匠家極秘伝](2種‪)‬

〈雛形〉匠家秘伝[匠家極秘伝](2種)
【判型】大本2巻2冊。収録順に縦268・254粍。
【作者】広丹晨父(コウタンシンプ)作。
【年代等】享保12年5月初刊。宝暦14年4月再刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「建築」。後印本も抄録した。江戸中期の木割書の一つで、日本建築における規矩準縄を示したもの。乾坤(上下)2巻から成り、上巻は、寸尺や家相の基本や造堂の各部材の寸法などを記したもので、目録によれば「尺式」「四神相応地説」「三愚地説」「金神方位」「造堂式」「雑説」「枓枅(トケイ)式図」の7項を収録。また、下巻は「欀式図」「磴矩術図」「扇罫図」「斜矩図」「軒式図説」「求延斜術」「賦榱術」「雑図説」の8項を収録する。なお、木割りとは、建築の部材寸法を実寸法でなく他の部材との比例(割合)で示す方法。木砕(きくだき)ともいわれ、初めは部材の木取りを目的とした技術であったが、後には組上げまで規定するように発展した。また木割術ともいい、木割を記述したものを木割書という。柱の間隔(柱間(はしらま))と柱の太さとを基準とし、長押(なげし)・斗(ます)・垂木(たるき)・屋根などの外部はもとより、床(とこ)・違棚・付書院などの内部意匠もすべて部材比例で示す。