井田由美で聴く「メリイクリスマス」 ラジオ日本聴く図書室シリーズvol.036
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発行者による作品情報
ラジオ日本・聴く図書室第36弾は、太宰治の「メリイクリスマス」。あるクリスマス、本屋で“私”をじっと見つめる若い女性がいた。必死に過去の女性の記憶をたどる私であったが、その女性は昔の友人の娘であった。久しぶりの再会…美しく成長した娘の姿にドキドキし、恋に落ちる妄想までしてしまう私。この妄想っぷりが半端なく面白い。いい歳をした主人公は、若い娘の反応を、いちいち自分に気があるのではないかと勝手に解釈し、あれやこれやと想像を膨らませていくのである。太宰治がどれほどのプレイボーイだったかは知らないが、この主人公は太宰自身じゃないかと、なぜか思えてくるのだが…。とにかく、そうした勘違い甚だしい妄想とともに話は進むが、それを打ち破るかのように娘から聞かされる友人の顛末。滑稽だが、ちょっぴり切ないお話。