



井田由美で聴く「十二月八日」 ラジオ日本聴く図書室シリーズVol.4
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3.5 • 2件の評価
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発行者による作品情報
ラジオ日本・聴く図書室第四弾は、太宰治の「十二月八日」。 時は昭和16年12月8日、日本が太平洋戦争に突入した日だ。 『 きょうの日記は特別に、ていねいに書いて置きましょう。昭和十六年の十二月八日には日本のまずしい家庭の主婦は、どんな一日を送ったか、ちょっと書いて置きましょう。もう百年ほど経って・・・私の此(こ)の日記帳が、どこかの土蔵の隅から発見せられて、百年前の大事な日に、わが日本の主婦が、こんな生活をしていたという事がわかったら、すこしは歴史の参考になるかも知れない。だから文章はたいへん下手(へた)でも、嘘だけは書かないように気を附ける事だ・・・』 太宰は、開戦という特別な日、東京の平凡な家庭の主婦はどの様に暮らし、何をいくらで買い、どんなものを食べ、そして開戦のことをどう受け止めたのか、当時のメディアがどこも記録しなかった『生き生きとした1日』を、『妻の目線』で見事に記録していた・・・その発想力に脱帽です。(C)ラジオ日本