井田由美で聴く「 恥 」 ラジオ日本聴く図書室シリーズvol.007
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発行者による作品情報
ラジオ日本・聴く図書室第7弾は、太宰治の「恥」。 厚顔無恥な者、それは女なり…と思っっていたのは作者、太宰ではないだろうか。 作品は主人公の和子が友人の菊子に、かいた恥を切々と語りかけていくのだが、その破廉恥な主人公の和子を井田由美が好演(?)。作中に出てくる和子が思いを寄せる作家は太宰自身がモデルであろう。そして、この作品は太宰のかなり似た実体験に基づいて書かれたに違いないと推察する。 そう思って聴くと、二重に楽しめて、ニンマリできる一作である。 恥をかききった和子の最期の捨て台詞が秀逸。 本作発表までに、二度の自殺未遂、二度の心中未遂、そして結婚し生活が安定していた太宰治という男が、この時点で女という生き物をこの様に見ていたのかが覗える。昭和17年、この「恥」発表した33歳当時の太宰の女性観が詰まっている一作だ。(C)ラジオ日本