井田由美で聴く「東海道五十三次」 ラジオ日本聴く図書室シリーズ第29弾
-
-
4.0 • 1件の評価
-
-
- ¥866
-
- ¥866
発行者による作品情報
ラジオ日本・聴く図書室第29弾は、岡本かの子の「東海道五十三次」。江戸時代、江戸・日本橋から京都・三条大橋までを結び整備された東海道。今は新幹線で2時間半ほどだが、昔は徒歩や籠での長い長い旅だった。きっとその旅路には数え切れないほどの悲喜があっただろう。そんな東海道に魅せられた夫との旅…まだ江戸の風情をとどめる宿々での、そこで生きる人たちとの交流を描く。作者の岡本かの子は、芸術家・岡本太郎の母。かの子と同じ時代に生き、彼女の印象を伝える作家の一人は、“厚化粧の極彩色で歩いてゐる姿を一二度、見た事がある。その印象はグロテスクであつた。”と書き残している。しかしこの「東海道五十三次」は、まだぎこちない新婚夫婦とどこか枯れた旅情が描かれていて、その印象からは遠い感じがする。49歳で脳溢血により亡くなる前年の、昭和13年8月に発表された作品。