週刊宮本武蔵アーカイブ(11)
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発行者による作品情報
国民文学作家・吉川英治の代表作『宮本武蔵』の週刊配信を開始!
新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、ポッドキャスト「週刊宮本武蔵」のアーカイブパッケージ版です。
第44回 神泉
伊勢の大神宮へ向かう途中、客引きの茶汲み女達からしきりに声をかけられていた武蔵。生真面目な彼はものも言い得ずうろたえ、顔を赤らめながら急いでその場を後にした。痛みを増していく足を引きずり、ようやく辿り着いた内宮へ入って行くと、何やら人心地が一変する。辺りの草木から感じたのは、人の世のものではない神の気配であった。そこで武蔵は遂に苦痛に耐えかね、仆れてしまう……。
第45回 冬かげろう
子等之館(こらのたち)で起き臥ししている巫女の一人が、裏口にかけてあった大小と武者修行風呂敷を発見した。どの巫女も怖がって触れられずにいたので、お通はその一式を武蔵の物とは知らずに、禰宜(ねぎ)の荒木田氏冨(うじとみ)のもとへ届ける事にする。氏冨のいる学問所を訪れると、ちょうど彼の方からも相談があるとの事で呼び出しを受けた。その相談内容とは……。
第46回 風車(1)
足の痛みもすっかりなくなり、健康な気力に充ちていた武蔵は、津へと向かう便船に乗っていた。松坂まで行けば、近ごろの鬼才と称(うた)われる神子上(みこがみ)典膳がいることは分かっていたが、ふと思い止まる。津の港で降りる時に、腰に鎖を巻きつけた男の姿が眼についたためであった。武蔵はその男が宍戸梅軒であると確信し、声をかけると……。
第47回 風車(2)
梅軒の家で鎖鎌の話を聞きながら酒を飲み、例(ためし)のないほど酔っていた武蔵。無愛想だった女房がやさしくなったり、暖かい寝場所を提供してくれたり……急に打って変わった周りの者の態度を不審に思いながらも、思索のまとまらないうちにそのまま寝入ってしまうのであった。ふしぎな夢を見ながら、うつつの間にふとうす眼を開くと、何やら身の危険を感じさせる怪しげな気配が漂ってくる……。
第48回 奔馬(1)
武蔵を…