ちーちゃんはちょっと足りない
-
- ¥770
-
- ¥770
発行者による作品情報
あれも欲しい、これも欲しい…。いつも何か物足りない気がする中2女子、ちーちゃんとナツ。少し不満で平凡な毎日は、ある事件をきっかけに揺らぎ始めて?
APPLE BOOKSのレビュー
団地が立ち並ぶ街で暮らす女子中学生たちの日常と闇を描く『ちーちゃんはちょっと足りない』。勉強が大の苦手で年齢の割に幼いちーちゃんと、気が優しくて内向的なナツと、賢くていつもクールな旭。3人はテストや他人の恋話で大騒ぎしながら何気ない日常を送っていた。でもある日、ちーちゃんが悪気なくやってしまったことがきっかけとなり、いつもの風景が一変してしまう。お金も学力も友達も恋人も、何もかも足りないと焦りながら生きる思春期の心を生々しく描く物語。たわいない日々をにぎやかにつづる前半から一転、貧困問題が暗い影を落とす衝撃的な展開がずっしりと重く心に残る。
カスタマーレビュー
カタカナ、数字の使用は控えるM9ン
、
『大人向け』ときいて
個人の性格と社会的背景の関係が端的に表現されていると思った。展開について序盤は足踏み気味であったが、後半で巻き上げていた。
女子が女性になる瞬間を看取ることは出来なかったが、時間がかかることだけは掴めた。
女性は大変だということがわかった。すなわち、幾年もの時間を背負うことになるのであり、競争と選択の狭間に身を委ねなければいけないということほど辛いこともないだろう。そしてそれはキャラクターが単純であるがゆえにおこることであるが、しかして学校とはそういうものである。読み手からすれば、そんな環境でもこれだけの表現が起こるだから、それはありがたいことである。高校生であるため、それは必然だという見方もあろうが、当人たちからしてみればそんなことは関係ない。どうしようもなく分かち合うのである。これは8話から読み取れることであるが、彼女たちの表情が何よりもそれを物語っているように思う。