ありえない138億年史~宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー~
-
-
3.0 • 4件の評価
-
-
- ¥1,300
-
- ¥1,300
発行者による作品情報
人間世界の背後には物理学と化学があるが、これらの学問は、この世界がどうして生まれたかについて、ほとんど何も教えてくれない。同じ物理学や化学の世界から別の世界が生まれる可能性もあったのに、なぜ今の世界が生まれたのか? これを理解するには、宇宙誕生から現在までの通史――「ビッグヒストリー」の考え方が必要だ。自然科学と人文・社会科学を横断する驚きの歴史を地球科学者が明らかにする。鎌田浩毅氏推薦・解説。
APPLE BOOKSのレビュー
宇宙の誕生から現在に至るまでのビッグヒストリーを、詳細な研究と豊かな表現力で描き出したスケールの大きな歴史書。著者は、隕石衝突が恐竜の絶滅を招いたとするシナリオを発表し、実際に約6,600万年前にできたメキシコのチクシュルーブ・クレーターが発見されたことで学説を裏付けた地質学者。地球惑星科学の第一人者でありながら、さらに天文学、物理学、考古学、生物学、化学などのさまざまな視点を交えて宇宙の歴史を検証していく。それでいて、京都大学の鎌田浩毅教授の解説にもあるように、わくわくしながら読み進められる物語のような面白さがある。地球が誕生してから46億年、生命が誕生してから38億年、宇宙をマクロに俯瞰(ふかん)しながら、その中で起きたミクロな奇跡に迫る。宇宙の歴史から見れば人類の歴史などわずかなもので、隕石衝突がなければ、現在も恐竜が地球の支配者だったかもしれない。現在の人類の文明と繁栄が、どれだけの偶然によって生み出されてきたのかを実感できる。