きことわ(新潮文庫)
-
-
5.0 • 1 Rating
-
-
- ¥540
-
- ¥540
Publisher Description
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。縺れる記憶、混ざる時間、交錯する夢と現。そうして境は消え、果てに言葉が解けだす――。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。
Customer Reviews
java357
,
我灯台にて的何か
西加奈子の『サラバ』ではないが、周縁からセンターガイを見るのはゾーン的なことに違いあるまい。例えば、ブランドのシーズン毎のランウォークだったり、広く見ればミニ四駆大会を駅併設百貨店の屋上で炎天下の中見ることもその範疇だろう。朦朧としてくる、陽炎がみえる。それがニーズとか欲かはともかく、この公家的世界観が日本文学の頂点なのは、今に始まったことではないだろう。