ずっとあなたが好きでした
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発行者による作品情報
「二度読み必至」を超えた、三度読み推奨ミステリー!あなたはこの企みを見抜けるか!?
年齢を偽ってスーパーでアルバイトする中学生の大和。バイト仲間の高校生・三千穂といい雰囲気になったが、正社員の宗像主任が露骨に2人の邪魔をする(「ずっとあなたが好きでした」)。
脱サラして立ち上げた会社が倒産、妻にも逃げられた五十嵐は、富士の樹海でネットの自殺サイトで知り合った男女と集団自殺をはかるドライブに出る。しかし、自殺仲間の一人、仁木智子に恋心を抱いていることに気づき(「黄泉路より」)。
弓木が通う小樽の小学校に東京から転校生がやってきた。人形のようにかわいく、裕福な生活を送る有坂弥生。風邪で休んだ弥生にプリントを届けにいった弓木は、彼女の部屋にも入る機会を得たのだが、思いがけずネックレスを持ち出してしまい……(「遠い初恋」)など13作を収録。
恋をめぐる小説集……だが?
サプライズ・ミステリーの名手が書く恋愛小説集が一筋縄でいくはずがない!
この企みに気づいた瞬間、あなたはまた最初から読み直したくなる。
解説:大矢博子
APPLE BOOKSのレビュー
推理小説で多くの受賞歴を持つ作家、歌野晶午による異色の短編恋愛小説「ずっとあなたが好きでした」。淡い恋愛や不倫、激しい修羅場、宙ぶらりんの片思いなど、小学生から還暦までの男性主人公が織りなす13編の恋の物語。集団自殺が未遂に終わった中年男性の一目惚れ、オンライン上で匿名で出会った男女の恋、パリの街で恋に落ちた国際カップルの行く末ほか、万華鏡のようなめくるめく恋模様が展開する。その数々を読み終える時に、読者ははたと気づくだろう。これは、普通の恋愛小説ではないと。綿密に織り込まれた仕掛けや伏線を味わうために、2度目は短編の順序を変えて読んでみるのもいいかもしれない。読み返す度に新鮮な読み応えが心に響く、ミステリー作家ならではの一筋縄ではいかない恋愛小説。