どうせ世界は終わるけど
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3.8 • 5件の評価
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- ¥1,700
発行者による作品情報
人類はゆるりと滅亡に向かう?
人類滅亡の危機がやってくる――ただし百年後に。世界を駆け巡った衝撃ニュースだったが、「終末」を意識させるには、小惑星衝突までの猶予が長かった。人々のささやかな勇気が少しずつ重なり合い、世界に希望をともしていく奇跡の連作短編集!
――これを機に、人類は捨てたりしないのかな。
――なにを?
――種の存続っていう根源的な本能を。
ベストセラー『#真相をお話しします』著者にして、ミステリ界のエースががどうしても描きたかった、未来なき世界で“希望”を編む人々の物語。
APPLE BOOKSのレビュー
映像化もされた『#真相をお話しします』で一躍人気作家となった結城真一郎による“ノンパニック”終末小説。ある日、直径22キロの小惑星がアメリカ大陸に落下するという衝撃的なニュースが世界に激震をもたらす。ホープと名付けられたその小惑星の衝突は、地球上のすべての生物を絶滅へと追いやるという。人類絶滅へのカウントダウンはあと100年。パニックに陥るには時間があり余るが、未来への活力を奪うには十分という、近くもなく遠くもない猶予期間。実感もなければ切迫感もないけれど、確実に未来がないと定められた世界にまん延する厭世(えんせい)観と諦念。治安は悪化し、経済は停滞していく。そんな時、人々は何を感じ、どう行動するのだろう。自己肯定感の低い女子高生、就活中の大学生、無人島で独りで暮らす男、反抗期の小学生、娘との面会を生きがいとするバツイチ男…。「どうせ世界は終わるけど」の“どうせ”と“けど”の間に込められたそれぞれの複雑な事情と思いを描く連作短編集。一見、つながりのないように見える各話が最終話で重なり合い、ささやかだけれども確かな希望を紡いでいく姿に勇気づけられる。
カスタマーレビュー
本当に面白かった。
正直1章を上手く咀嚼できていないまま読み進めていたが、2、3、4、5、とどんどん面白くなっていった。心に残る言葉もいくつも見つかった。6章での色々な伏線回収はとても驚いた…
最初から最後まで、心に残った言葉や表現をハイライトしていくと面白い読書体験ができると思う。おすすめは4章。
どうせ世界は終わるけど、どうせ世界は終わるなら、あなたはどうやって生きるか。
普段意識していない"未来"を、意識せずにはいられなくなった。もう1度読み返します。