ほどなく、お別れです
-
-
4.3 • 58件の評価
-
-
- ¥730
発行者による作品情報
この葬儀場では、奇蹟が起きる。
夫の五年にわたる闘病生活を支え、死別から二年の歳月をかけて書き上げた「3+1回泣ける」お葬式小説。
大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。
「決して希望のない仕事ではないのです。大切なご家族を失くし、大変な状況に置かれたご遺族が、初めに接するのが我々です。一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです」--本文より
※この作品は単行本版『ほどなく、お別れです』として配信されていた作品の文庫本版です。
APPLE BOOKSのレビュー
東京スカイツリーのすぐ近くにある葬儀場を舞台に、生と死の間に立つ人々の優しい交流を描いた人気シリーズの1作目。大学4年生の清水美空は、就職活動がうまくいかずに焦りを抱えていたある日、以前アルバイトをしていた葬儀場、坂東会館からヘルプを頼まれ、久々に現場に立った。そこで初めて顔を合わせた葬祭ディレクターの漆原と僧侶の里見に、自分が持つ第六感を見抜かれ、彼らの担当する葬儀を手伝うことに。さまざまな「死」に寄り添いながら、美空もまた、自分が生まれる前に亡くなった姉と向き合っていく…。無念を抱えた死者や重たい死をテーマにしながらも、作品全体に漂う空気は柔らかく、温かい。身近な人を亡くす経験は、人生において誰もが必ず直面する出来事。伝えたかった、もっと話したかったという後悔はきっとずっと付いてまわるのだろう。そんな後悔をすくい上げるような希望の物語であり、彼らのような人が自分や身近な人の死の隣にいてくれたら…と想像してしまう。2026年春に実写映画化。