カラマーゾフの兄弟 1
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2.5 • 2 Ratings
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- ¥1,300
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Publisher Description
暴力を否定し、調和的な愛を強調するこの作品は、作者最後のかつ最高の傑作で雄大な構想、複雑で緻密な構成、人間精神の深刻な把握、また人類の苦悩に対する深い理解と愛情とをもつ。淫蕩なフョードルを父に持つ三人の兄弟を主人公に、悪夢のような一家の形成から破滅に至るまでの複雑多岐な内容を短時日の事件の中に描き出す。
Customer Reviews
マーゾフ読むぞ!
毎年始めに「マーゾフ読むぞ!」と気合を入れるもその偉大なる存在に負けてしまい実現できませんでしたが、今年は小さい字が読めなくなりつつあるし、怪しげな感染症の広がりが予想以上ゆえ「読む機会これ最後じゃね?」ってことで決意を持ってページをひらく。
と、冒頭、訳者である米川さんの25ページにもおよぶ熱量ある解説ったらほぼ完璧なまでにネタバレをしていましてひっくり返るの巻。さらには作者による前書きにて、この『カラマーゾフの兄弟』は書きたかったお話の前段階になるもので、その続きの作品に「すべてを注ぐ」的な宣言がなされておるのですが、それを書く前にドストエフスキーさん死んでしまったっておい!
これ読んでいいのかな? という不安な気持ちになりつつ本編に踏み込むや350ページにわたって親子ゲンカじゃないか! 親父どんだけお調子者なんだ! 長男め心優しい恋人すてて親父の愛人に首ったけか! 次男よ小難しいこといっているが長男にすてられた恋人狙いか! 三男くん神様のこと信じすぎだ! ってネタバレしてしまいましてゴメンなさい。
が、が、これくらいのネタバレじゃあぜんぜんビクともしませんわ偉大なる傑作。小説を読んでいるというよりも舞台劇をみているような感じします。とにかくセリフが長いんですよ皆さんの。そしてそのセリフが登場人物の個性づけになっています、つまりは壮大なる人物紹介ですね1巻は。
ほとんど最後、ふいに数人の子供たちに石をぶつけられる男の子が出てきたところから物語が動き出しました。その石をぶつけられた少年がさらには三男くんに石をぶつけるんですが、なんなんこの男の子? 謎すぎる。この謎を解くべく2巻に続きます。と、物語は急流に飲み込まれて「あっ」という間に70ページを読了。かの『大審問官』に突入。超絶おもしろい! 今現在2020年のお話じゃないかこれ! 2巻のレビューにつづきます。