シスター・レイ
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4.0 • 3件の評価
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- ¥2,200
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発行者による作品情報
東京墨田区の外国人たちの相談役的存在で、「シスター」と慕われる、予備校の英語講師、能條玲。フィリピン出身の友人女性からの頼みで彼女の息子を探すことになった玲は、彼を探すうちに、ひょんなことから暴力団と外国人半グレ集団とのトラブルに巻き込まれてしまう。普段はただの一般人としてふるまう彼女だが、元フランス特殊部隊のエースという隠された経歴があった。前職の技術を活かし、暴力団と半グレたちを制圧して事件を解決に導く玲。その後も相次ぐトラブルに巻き込まれた外国人たちを助けていくうちに、玲は下町に隠された国際的な陰謀に巻き込まれていく。
APPLE BOOKSのレビュー
映画化された『リボルバー・リリー』をはじめ、スケールの大きなハードボイルドに定評のある長浦京が、東京下町アンダーグラウンドを舞台に描くクライムアクション。予備校講師として働きながら、認知症の母と共に墨田区に暮らす能條玲。フィリピンやベトナム出身の友人のトラブルを無償で解決していた玲は、彼女たちから「シスター」と呼ばれ慕われていた。ある日、母の介護を頼んでいるフィリピン出身のマイラから「きょういけない」と連絡が来る。聞けば息子の乃亜が特殊詐欺事件の共犯者だと疑われ、彼女も警察の聴取を受けていたという。玲はマイラの頼みで行方不明となった乃亜を捜すことに。元フランスの警察官で特殊部隊に所属していた経歴を持つ玲は、持ち前の身体能力と経験をフルに生かし、やくざや犯罪集団、外国人マフィアたちと渡り合い事件を解決。だがその結果、巨大な陰謀に巻き込まれていく。フランス語の「メルド」(ちくしょう、クソの意)と日本語の「まったく」が混ざった「メルったく」が口癖の玲。口ではぼやきながらも友人の願いとあらば、こわもての男たちとの戦いも辞さない。そのありえないほど強く、ありえないほど優しい姿に、ほれぼれする。