プラグマティズム
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4.0 • 1件の評価
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発行者による作品情報
プラグマティズムは,もっともアメリカ的なものの考え方であり,今日のアメリカ資本主義社会とその文化を築き上げてきた基調である.本書は,このような考え方を初めて体系づけ,ヨーロッパの伝統的な思考方法を打破した点で不朽の功績をもつ.アメリカ的なものの見かたの核心は,じつにこの一冊に圧縮されている.
APPLE BOOKSのレビュー
アメリカの心理学者、哲学者であるウィリアム・ジェイムズが1907年に発表した代表作「プラグマティズム」。ニューヨークのコロンビア大学などで実際に行われた8つの講義がまとめられたものであり、ドイツ・アメリカ哲学の分野でその名を知られた桝田啓三郎が翻訳し、1952年に日本初めて出版された。"プラグマティズム"とは"実用主義"とも訳される考え方。観念的な論争に対して、その対象がもたらす結果を突き詰めることで解釈を試みる手法である。本作によって、科学の急速な発展やダーウィンによる進化論の発表などにより、従来主流とされていたヨーロッパ哲学に代わる思考方法が求められていたアメリカを舞台に、知識の実践を主軸とした新たな思想が誕生する歴史的な瞬間を垣間見ることができる。テキストで語られる内容は20世紀初頭のアメリカ思想の主流となり、その後、政治やビジネスを筆頭に広く市民社会に浸透していったことからも、現代アメリカ社会の立ち位置を考えていく上で大いに参考となる。日本はもとより世界の近代哲学にも多くの影響を及ぼした画期的な理論を網羅することができる作品として、学術的にも非常に評価が高い名著。