ポーの一族(01)
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4.1 • 60件の評価
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発行者による作品情報
1880年ごろ、とある海辺の街をポーツネル男爵一家が訪れた。ロンドンから来たという彼らのことはすぐに市内で評判になった。男爵夫妻とその子供たち、エドガーとメリーベル兄妹の4人は田舎町には似つかわしくない気品をただよわせていたのだ。彼らを見たものはまるで一枚の完璧な絵を見るような感慨にとらわれた。実は、その美しさは時の流れから外れた魔性の美。彼らは人の生血を吸うバンパネラ「ポーの一族」であった。市の外れに家を借りた一家は、人間のふりをしながら一族に迎え入れるべき者を探し始めた。そして、エドガーが興味をひかれたのが、市で一番の貿易商の子息であるアラン・トワイライトだった…。
APPLE BOOKSのレビュー
「少女マンガの神様」とも呼ばれる、萩尾望都の初期代表作の一つ。14歳の少年姿のまま永遠の時を生きるエドガーを主人公に、人の血とバラのエッセンスしか口にしない吸血鬼(バンパネラ)である「ポーの一族」を描いたファンタジー。18世紀のイギリスを皮切りに200年以上もの時が交差するという緻密な構成。そしてバンパネラや人間たちとの出会いと別れ、バンパネラとして生きる苦悩を描き、その耽美で幻想的な世界に今なお熱狂的なファンが多い。少女マンガの歴史に残る記念碑的名作。
カスタマーレビュー
芸術作品
『ポーの一族』は四十年以上前から何冊購入したか分からないほど何度も買っては友人にあげていた。高校生の時、妹の「別冊少女コミック」を何気なく見ていたら、なんだ これは!という衝撃とともに虜になってしまった。
大島弓子、竹宮恵子、萩尾望都は、私自身の一部となった気がする。『ポーの一族』のプロローグというべき「ポーの一族」の繊細で微秒な強弱のあるタッチと破綻のないストーリー。漫画に対してのイメージが一変するほどの体験でした。これは芸術だ!一人で監督、脚本、時代考証、役作りなど全てをこなして作品に仕立てる映画や舞台のような総合芸術だと思いました。
特に、感動したのは「グレンスミスの日記」。時代に翻弄されながら、バラの咲く村を夢見たエリザベス。マルグリッド。そしてエドガー。まるで大河ドラマのような怒涛に、人生初めての、頭から脊髄を通り仙骨まで走る、鳥肌が立つ感動を覚えました。また、これが精霊狩りシリーズにつながるんだなあと思いました。
これを作品にしたのは、二十歳前半の萩尾望都。天才はいるものですね。
「インタビュー ウイズ ヴァパンパイア」は、『ポーの一族』と真逆の気高さや神秘性や品性のないものだったが、着想はそっくりで驚いたのは私だけではないはず。