マチネの終わりに
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- ¥950
発行者による作品情報
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が描く、恋の仕方を忘れた大人たちに贈る恋愛小説。
APPLE BOOKSのレビュー
京都大学在学中にデビュー以来、「葬送」「ドーン」など、思慮深くウイットに富んだ作風で支持を集める平野啓一郎。本作「マチネの終わりに」では40代を迎える2人、クラシックギタリストの蒔野聡史と海外の通信社に勤める記者・小峰洋子の大人の恋愛模様を描く。蒔野は天才と評される人気ギタリストだが、その内面に音楽家としての煩悶を抱え、一方、洋子には内戦状態にあるバグダッドで危うく爆弾テロに巻き込まれかけたことによる懊悩がある。周囲との関係なども複雑にからみ合い、2人は互いを思いながらもすれ違ってしまう。イラクの内戦や2009年のリーマン・ブラザーズの破綻、2011年の東日本大震災などの世情を取り入れた展開はリアリティに満ち、登場人物の思いや言動が実感を伴って胸に迫ってくる。ビートルズの "イエスタデイ"、ドビュッシーの "月の光"、ピアソラの "タンゴ組曲" などさまざまな楽曲が登場し、まるでBGMのように物語を彩るのも、音楽に造詣の深い作者ならではの演出で心憎い。極上の大人の恋愛譚であると同時に、仕事、恋愛、家庭などさまざまな局面で人生の岐路に立つ40代の生きざまをも問いかける長編小説。
カスタマーレビュー
こういう恋愛もあるんだ
映画を見てから原作を読みました。
映画も原作もよかったです。
お互いに好きなのにすれ違ってしまった。
ちょっと切ない感じです。
ちょい難
言い回しや表現する様が、難しい語彙を多用していて、私には少し難しい文章でした。
もっとラフな感じで読みたい内容でしたが、その難しさがこの小説を際立たせている様にも感じました。
そして『愛』は時間や年月では比べられない物なのだなぁと感じました。 が、私はこの様な愛は体験したいとは思いませんw