“一億特攻”への道 特攻隊員4000人 生と死の記録
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発行者による作品情報
話題のNHKスペシャルの書籍化
誰が、なぜ選ばれたのか? 極秘資料が明かした選別の実態。
15年に及ぶ取材で隊員約4000人の本籍地や経歴を徹底調査。
浮かび上がってきたのは、選別の実態と職員たちの心情、
そして当時の日本人の特攻への熱狂――「一億特攻」の真実に迫る。
APPLE BOOKSのレビュー
2024年にNHKで放送された同タイトルの番組内容を、太平洋戦争終結後80年となる2025年に書籍化。番組ディレクターを務める著者が、特攻隊員4,000人分の記録をデータベース化し、さらに現地に赴いて存命中の関係者や遺族に話を聞く。地道な取材の中で浮かび上がってきた衝撃の事実が、軍部、マスコミ、国民全体を熱狂の渦に巻き込んだ“一億特攻”への道を明らかにする。とりわけ、戦死した特攻隊員への美辞麗句を連ねた「大君の楯」の内容と、教え子たちを特攻隊員に育てようと決意を述べる教育者たちに戦慄を覚える。特攻隊員が20歳前後の若者を中心に編成された理由、表向きは志願制としながら操作されていた隊員選出へのプロセスなど、特攻という無謀な作戦の裏側が次々と暴かれていく。アメリカ軍の映像資料から、特攻隊員の最期の姿が発見されたのは現代的だ。特攻で戦局を変えられると信じた軍部、マスコミ、国民がそれぞれ抱えていた現実に気付かされつつ、戦後80年を経ても世界中で戦争が行われている人類の愚かさを感じざるを得ない。