世界史とつなげて学ぶ 中国全史
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
気鋭の東洋史家による渾身の書き下ろし!
教科書では教えてくれない真実の中国史
・黄河文明はどのように生まれたか
・中華思想が誕生した理由
・気候変動と遊牧民がつくる歴史
・ソグド人が支えた唐の繁栄
・「唐宋変革」で激変した中国社会
・モンゴル帝国は温暖化の産物
・なぜ「満洲」と表記するのが正しいか
・明治日本の登場が中国の歴史を変えたetc.
驚くほど仕事に効く知識が満載!
現代中国を理解する最高の入門書
現代中国とは、過去の歴史の積み重ねの決算であり、通過点でもあります。そこに至るプロセスを知ることなしに、「中国人の考え方は理解できない」「中国の存在は日本にとって脅威」などと評論しても意味がありません。問題はそのプロセス・歴史をうまく捉えていない、そのため偏見に満ちた見方になっていることで、そういう〝偏見〟の自覚すらないのが、一般的な日本人の姿ではないでしょうか。
日本人の多くが、中国は太古より強大な統一国家だったとか、中国は常に強大で、常にアジアの覇権国家だった、という印象を持っています。「中国は異質」「理解できない」といった印象を持ってしまうのは、こういう下地があるからなのです。そこで重要なのは、リアルな中国史を認識することです。それを通じて、はじめて現代中国が抱える問題も、その本質を理解することができるでしょう。
歴史といっても、細かい年号や人名、事件などにこだわる必要はありません。何よりも時代の特徴、ならびにその流れを摑むことが大事です。本書では、文明の発祥から今日に至るまでの中国史の展開を一気呵成に描いて、現代につながるリアルな中国の姿を浮き彫りにしていきたいと思っています。(「まえがき」より要約抜粋)
APPLE BOOKSのレビュー
東洋史の碩学(せきがく)として京都府立大学教授を務め、数多くの著書を残す歴史学者・岡本隆司による中国の通史書。世界と中国の関わりを追いながら、中国の社会構造と中国人の気質が形成されるその変遷を明らかにしていく。広大な国土を持ち総人口もトップの中国は、50以上の民族が暮らすモザイク国家。多数派を占める漢民族も、金や元、清といった異民族が建てた国から支配を受けた歴史をもつ。そんな中国の為政者にとって最大の課題は、異なる宗教、生活、文化を持った多民族間にいかに共通の帰属意識を持たせるか、ということであった。そして生み出されたのが中国を宗主として朝貢する国に恩恵を与える冊封制度だった。その背景にある中華思想や儒教的道徳観は現在の共産主義体制にも脈々と受け継がれている。リアルな中国の歴史の積み重ねを深く知ることで、中国の本質を理解できる一冊。歴代中国王朝の転換点を、経済、地政学、気候変動など、さまざまな角度から鋭い視点で検証する。