中上健次 電子全集1 『紀州熊野サーガ1 竹原秋幸三部作』 中上健次 電子全集1 『紀州熊野サーガ1 竹原秋幸三部作』
紀州サーガ

中上健次 電子全集1 『紀州熊野サーガ1 竹原秋幸三部作‪』‬

    • ¥2,200
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発行者による作品情報

熊野の風土と溶け合い、肉体労働に至福の時を過ごす「路地」の私生児・竹原秋幸を主人公とする『岬』、『枯木灘』、『地の果て 至上の時』の三部作。その幕開き『岬』で、戦後生まれの作家として最初の芥川賞作家となった中上健次は、そこに停滞することなく、織田信長に反旗を翻した一向宗団の頭目・浜村孫一の伝説を携えて「路地」に流れ着いた秋幸の実父・浜村龍造を『枯木灘』で造型する。成り上がり者のこの男の視線を強く意識しながら、再婚した母と別宅で暮らす秋幸は、血を分けた妹との近親相姦を実父に告白、予期に反して鷹揚にそれを受け流す龍造にはぐらかされた彼は、やがてその後継と目される異母弟の殺害に及ぶ。『覇王の七日』は、この息子を失った龍造が、失意のうちに自宅の一室に引きこもった、『枯木灘』の後日譚。『地の果て 至上の時』に至り、出獄の後に龍造に接近し父殺しの機会を窺う秋幸に対し、龍造は義父・実母らのいる実家に寄り付かない実子を庇護するうちに、二人は敵意と親密さの入り交じった特異な父子関係を築いてゆく。やがて不意打ちのようにやって来る龍造の自殺。秋幸は最早、再開発の波にさらされた「路地」に踏みとどまるべき理由を失っていた。
秋幸三部作は、われわれの文学の「現在」を規定し、「未来」を画定し、「過去」を裁定する格好のテクストとして、いま、ここにある。

また特別寄稿として、長女・紀の「回想録 家族の道端」(1)、「編集担当者だけが知っている中上健次」(1)を掲載。

付録:「中上健次写真館」(1)、生原稿や構想メモ、紀州サーガ登場人物関係図などの「特別資料」(1)

【ご注意】※立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
※この作品にはカラー写真が含まれます。

ジャンル
小説/文学
発売日
2016年
4月6日
言語
JA
日本語
ページ数
1,125
ページ
発行者
小学館
販売元
Shogakukan, Inc.
サイズ
11.4
MB
新装新版 枯木灘 新装新版 枯木灘
2015年
時雨のあと 時雨のあと
1982年
闇の梯子 闇の梯子
2011年
雪明かり 雪明かり
1979年
月の松山 月の松山
1983年
日日平安 日日平安
1965年
岬 岬
1978年
千年の愉楽 千年の愉楽
1992年
新装新版 枯木灘 新装新版 枯木灘
2015年
新装新版 十九歳の地図 新装新版 十九歳の地図
2015年
紀州 木の国・根の国物語 紀州 木の国・根の国物語
2009年
作家と酒 作家と酒
2021年
中上健次 電子全集21 『中上健次と柄谷行人』 中上健次 電子全集21 『中上健次と柄谷行人』
2017年
中上健次 電子全集2 『紀州熊野サーガ2 オリュウノオバと中本の一統』 中上健次 電子全集2 『紀州熊野サーガ2 オリュウノオバと中本の一統』
2016年
中上健次 電子全集3 『初期作品集I 未成年の慟哭』 中上健次 電子全集3 『初期作品集I 未成年の慟哭』
2016年
中上健次 電子全集4 『エッセイ集 1960年代~70年代』 中上健次 電子全集4 『エッセイ集 1960年代~70年代』
2016年
中上健次 電子全集20 『全対話集 II』 中上健次 電子全集20 『全対話集 II』
2017年
中上健次 電子全集5 『紀州熊野サーガ3 女たちの物語』 中上健次 電子全集5 『紀州熊野サーガ3 女たちの物語』
2016年