



人類は衰退しました2
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4.9 • 11件の評価
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- ¥660
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発行者による作品情報
わたしをすくう?? スプーンとバナナ。
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は「妖精さん」のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官(ちょうていかん)”であるわたしのお仕事。……なんですが。高い知能を持つ妖精さんのまわりは不思議なことだらけ。理解不能なおかしな道具を創って、わたしの身体を小さくしたり。現場復帰する祖父の助手さんのお迎えに、何度も何度も行かせたり。……そんなこと、報告書には書けません! お疲れの人類の脳に刺激と安らぎを……。
【人間さんの、じゃくにくきょうしょく】
妖精さんが作った道具で小さくなってしまった主人公。ミクロの世界で生命の危機に!?
【妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ】
助手さんを迎えに出た主人公。しかし、バナナの皮で滑るたびに、同じことを繰り返しているような……?
Key所属の原画家・樋上いたる氏が企画原案を担当したPCゲーム『Rewrite』では、竜騎士07氏、都乃河勇人氏とともにシナリオを担当。『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』、『灼熱の小早川さん』で業界の話題をさらった田中ロミオの小説デビュー作!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
カスタマーレビュー
面白かったが、後半の言い回しがくどい。
ネタバレ注意です?
一巻と同様に、「妖精さん」と「衰退期の人類」、そして「不思議」を混ぜ合わせた世界観は、ページを捲る度に確かな新鮮味を感じさせてくれます。前半の話は「山月記」を彷彿とさせるちのうていかの表現が面白く、また小さな生き物視点から見る世界の変化も細かく描写されており、全体的にユニークな内容で楽しく読めました。
後半の話はタイムスリップ、タイムパラドックス、そしてタイムリープとSF要素が強い話で、時間転移系の面白い部分がストレートに詰め込まれています。特に「腕時計」の行方などが分かってくるシーンはこの巻で一番好きな場面です。
ただ、前半にしても後半にしても、読者が既に勘づいている内容について曖昧にしたまま同じくだりを続けるため、読んでいる側からすると少々くどいように思いました。
「犬」についても正体の回答は非常に面白いものなのですが、読んでいる最中はその存在理由が全く分からない上に別の謎と並行して話が展開するため最終場面にたどり着くまでひっかかったような感覚を感じたままページを捲っていました。