何でも見てやろう 【小田実全集】
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- ¥1,400
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発行者による作品情報
26歳のフルブライト留学生が、欧米・アジア22ヵ国を貧乏旅行したこの旅行記は、ユニークな「世界現代思想講座」である。著者が欧米のスマートな知識人と媚びることなく対等につき合い、垢だらけの凄惨なインドの貧困にも目をそむけることなく向き合う姿は、爽快で頼もしい。アメリカの豊かさとその病根、人種差別を直視する痛烈で優しい眼は、ヨーロッパやアジアにも向けられる。若者らしい痛快な笑いとセンチメンタルな涙、本物の、上等な知性と勇気のベスト&ロングセラー。
APPLE BOOKSのレビュー
"行動する作家"と呼ばれ、若者や市民の側から政治を考える市民運動家としてさまざまな活動に参画していた小田実の代表作「何でも見てやろう」。当時26歳、「ひとつ、アメリカへ行ってやろう!」と決心し、米国のフルブライト基金の留学生として渡米することから彼の旅は始まる。1年のハーバード大学の学生生活のあと、200ドルを片手に、1日1ドルの宿を渡り歩きながらアメリカからヨーロッパ、中東そしてインドへ。著名人相手に、堂々と片言の英語で話し合い、庶民の人々と笑い合う。訪れる国々にすぐに溶け込みながら、常識にとらわれず自分の目で見て考える。世界の貧困や人種差別など目を覆いたくなる景色も、目の前の現実と対峙しながら、自分なりに受け止めようと苦悩する作者の姿が目に浮かぶ。1950年代に執筆された紀行文だが、長い間色あせることなく読まれ続けているベストセラー。