



再発! それでもわたしは山に登る
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2.5 • 4件の評価
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- ¥1,200
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発行者による作品情報
がんに冒されながらも明るく前向きに人生を楽しんだ、世界初の女性エベレスト登頂者・田部井淳子。
山を愛し、夫を愛し、人々との出会いを大切にしたかけがえのない日々……。
2016年10月20日、亡くなる5日前の病室で「みなさん本当にありがとう!!ありがとう!!百万遍もありがとう!!」と書き残した。
がんの再発から、ガンマナイフ治療、あらたな抗がん剤の使用、海外登山に、講演会と精力的に過ごし、2016年7月の東北の高校生の富士登山プロジェクトが最後の登山となった。病室で、打つ手はないとわかりつつも来月、来年の予定まで考え続けていた著者の姿勢に心打たれる感動の闘病記。
山の同志であり人生のパートナーであった夫・田部井政伸氏の手記も収録。
APPLE BOOKSのレビュー
がんを抱えながらも山に登り、その魅力を伝え続けた登山家の田部井淳子による闘病記「再発! それでもわたしは山に登る」。著者は、世界初の女性エベレスト登頂者・女性七大陸最高峰登頂者としても名が知られている。腹膜がんに侵され、一度は寛解したものの脳への転移が発覚。本書では、再発した2014年から享年77歳で他界するまでの約2年間が綴られる。講演会や取材、友人との会食や家族との団らん、治療内容をはじめ、何を考えどう行動したかが淡々と書かれ、それゆえ彼女の思いがまっすぐ胸に迫ってくる。治療の辛さや不安などの弱音は一切なく、山登りの楽しさや仕事への誇り、夫や周囲の人へ感謝などを伝える、明るく前向きな著者。薬の副作用で手足が痺れても、常人以上の仕事をこなし、国内外の山へ挑戦し、未来の計画を立て、身体が動く限り実現しようとする姿は、多くの人を強く勇気付けるだろう。また、死と隣り合わせだったエベレスト登山、最高峰の山々へチャレンジし続けてきた軌跡を通じて、自分らしく生きること、生きがいを持つことの大切さも実感させられる。