奇妙な家についての注意喚起
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5.0 • 2件の評価
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- ¥2,000
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発行者による作品情報
この本は、作家である私、夢見里龍が収集した「奇妙な構造をした家の体験談」を小説の形に書きおこしたものです。発端は小説投稿サイト上のエッセイでした。「生活をするのに不便はない。欠陥住宅というわけでもない。でも、明らかに奇妙な家なんです」それは〈排水口がすべての部屋にある家〉に住む主婦の投稿でした。以来、私はネットで見つけた奇妙な家群を「ひらく家」と名づけ、親交の深かった読者のヤモリさんと考察を語らうようになりました。ネット上の記述なので、全てはフィクション。そう考えていたんです。でも、ある体験をして気づきました。これらの家は本当に存在すると。私は本書を通じてみなさんに警戒を促します。あなたは今、「ひらく家」に住んでいませんか?
APPLE BOOKSのレビュー
『後宮食医の薬膳帖』シリーズなどで人気を集める夢見里龍のホラー小説。奇妙な造りをした家が呼び起こすさまざまな怪異が、思いがけない展開でさらなる恐怖を生む。作家の夢見里龍は、デビュー後のスランプ期に、ネットで怖い体験談を読みあさっていた。担当編集者に勧められて夢見里は、それらを小説に書き起こすことに。発端は投稿サイトに寄せられたある主婦の体験談だった。子育てをしながら念願の一軒家を購入したのだが、それはなぜかあちらこちらに排水口がある奇妙な家。やがて夫との間に不和が生じ、彼女はさらに大きな不幸に見舞われたのだった。その後も夢見里は、新婚の夫がつづったブログ、中学生がネット掲示板に残した履歴など、不可解な体験談を収集し、考察していく。ところが、やがて作家自身にも恐怖が忍び寄り…。家にまつわる怪異談のそれぞれがグロテスクで恐ろしい上、著者本人が体験する戦慄の出来事に身の毛がよだつ。出版社や媒体名等に実名が用いられ、各章に読者への注意書きが添えられるなど、まるでドキュメンタリーのようなリアリティが恐怖を倍増させる。あなたは無事に読み進められるだろうか。底知れぬ恐怖を味わえるホラー小説だ。