奥の細道 俳諧紀行文集
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Publisher Description
日本人の心の源泉である「奥の細道」をはじめ、「笈の小文」など5編を収める。
(松尾芭蕉の俳諧紀行文について)
島崎藤村は芭蕉の俳諧や散文について、以下のように書いてその味わいの深さを嘆賞しています。
含蓄の多い芭蕉の詩や散文が折にふれては自分の胸に浮んで來るのは、あの『朝を思ひ、また夕を思ふべし』といふやうな心持から生れて來て居るからだとは思ふが、まだその他に自分の心をひく原因がある。近頃私は少年期から青年期へ移る頃にかけて受けた感動が深い影響を人の一生に及ぼすといふことに、よく思ひ當る。丁度さうした心の柔い、感じ易い年頃に、私は芭蕉の書いたものを愛讀した。その時に受けた感化が今だに私に續いて居る。どうかすると私は、少年時代に芭蕉を愛讀したと少しも變りのないやうな、それほど固定した印象を今日の自分に見つけることもある。
(島崎藤村 「芭蕉」より抜粋)
この「奥の細道 俳諧紀行文集」には以下の作品を収録しました。
奥の細道 元禄二年(一六八九年)
野ざらし紀行(甲子紀行) 貞享元年(一六八四年)秋~二年(一六八五年)四月
鹿島紀行 貞享四年(一六八七年)
笈の小文 貞享四年(一六八七年)十月~元禄元年(一六八八年)四月
更級紀行 元禄元年(一六八八年)
全作品に、最も妥当と思われるルビを振りました。
また「奥の細道」については、理解を助けるために、訪れた場所ごとに章分けをし、適切な標題を付け、さらに全発句に簡潔な解釈をつけました。冒頭の有名な文章には現代語訳を付けました。
(古典教養文庫について)
古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。
1、古典として価値あるものだけを
これまで長く残って来たもの、これから長く読み継がれていくものだけを選んで出版します。
2、読みやすいレイアウト
文章のまとまりを、適切な改ページで区切って、iPhoneはもちろん、iPadやMacでの読書に最適化しました。また、作品の一編一編にも索引を付けましたので、目次から直接アクセスできます。
3、美しい表紙
プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。書籍と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。
4、スピーディーな改版
紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。