少女たちは夜歩く
-
- ¥850
-
- ¥850
発行者による作品情報
この魔界に迷い込んだら逃げられない!
少女失踪、めくるめく悪夢…
まさかの真相にあなたは絶句する――
全読者震撼のホラーミステリー!
その魔界の罠にはまったのは少女だけではなかった――
ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国――狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女……都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。
森の魔界にからめとられ悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのか――驚愕の真相に戦慄する傑作ホラーミステリー!
〈目次〉
はじまりのおわり
宵闇・毘沙門坂
猫を抱く女
繭の中
ぼくの友だち
七一一号室
酔芙蓉
白い花が散る
夜のトロイ
おわりのはじまり
解説・東 雅夫
APPLE BOOKSのレビュー
ミステリー、ホラー、サスペンス、ファンタジーのジャンルを横断し、人間の闇を鋭くえぐりながら異界へといざなう著者、宇佐美まことの魅力が存分に発揮された『少女たちは夜歩く』。禁断の愛に狂う魔性の女子高生。義実家にあった奇妙な油絵の修復を頼まれた女。癌を告知され、そっと孫を見守るようになった男。謎の生き物を見た少年…。底なしの森に踏み入れ、永遠に森の中をさまよい続ける登場人物たち。城山を中心とした人々の愛と憎しみが、徐々に環(わ)となって繋がっていく様に驚きと恐怖が止まらない。うっそうと茂る緑や花の蜜の香りの描写が生々しく、人の情念と絡まり合ってとぐろを巻く。彼らに救いは訪れるのか?ごくありきたりな"日常"に潜む怪異をあぶりだし、心の奥に潜む狂気の闇に棲みつく魔物たちの静かに悲しく狂う姿を、丁寧に描き出した秀作。