投資家のヨットはどこにある?
プロにだまされないための知恵
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発行者による作品情報
金融業界の人々を痛烈に風刺したウォール街の名作
~昔々のものがたり~
おのぼりさんの一行が、ニューヨークの金融街を見学させてもらっていた。
一行がウォール街にほど近いバッテリーパークへやって来ると、ガイドのひとりが停泊中のすばらしいヨットの数々を指さして言った。
「ごらんください。あそこに並ぶヨットは、みな銀行家やブローカーのものですよ」
気のきかない田舎者がこう聞いた。
「お客のヨットはどこにあるのかね?」
このジョークは、投資の世界ではリターンが不確実であるのに対して、コストが確実にあることを的確に象徴したものだ。
著者シュエッドが見抜いた金融業界の真実は、今も昔も驚くほど変わらない。100年以上にわたって債券や株式の市場では、何度も手を変え品を変え、ドタバタ劇が繰り広げられている。しかし、本質(あらすじ)には変わりがないのだ。
それは登場する人々――銀行、証券会社、投資信託会社、空売り屋、オプショントレーダー、そして“顧客”である投資家――の「キャラ」に、変わりがないからである。
業界に登場する人種と構造の理解は、あらゆるビジネスで成功するための必須条件のひとつ。読者は、バブルと恐慌を間近に見た著者の毒舌に苦笑しながら、その概要を理解できるだろう。