滅茶苦茶
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- ¥1,900
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発行者による作品情報
「最悪だ。もう逃げ場がない」三人三色の人生が転落しながら絡み合う、絶叫的ミステリー。
【話題作『悪い夏』『正体』を超える切迫感!】
仕事は順調、東京でシングライフを謳歌する30代女性が始めた不穏な恋愛。下校中、不良に堕ちた元級友に再会した、とある北関東の高校生。老朽化したラブホテルを継ぐが経営不振に陥った静岡県在住の中年男。
刹那な現代をサバイブしながらも、孤独を胸底に抱える者たちの欲望に駆られた出会いは、彼らをまっさかさまに谷底に突き落とす。
圧倒的な言葉の迫力! 予測不可能な滅茶苦茶な展開の数々。絶望の淵で思わず涙腺が緩む。
岩谷翔吾(THE RAMPAGE・ブックレビューサイト「岩谷文庫」執筆)
「いい気味」か「かわいそう」か? 彼ら自身が招いた命からがらの転落劇。滅茶苦茶なんだけど最低じゃない!
―吉田大助(書評家)
予想外の読後感! 転落人生の奇蹟の交錯が閉塞感に風穴を開ける、これぞ染井マジックというべき快作。
―宇田川拓也(ときわ書房本店)
APPLE BOOKSのレビュー
新型コロナウイルス感染拡大のために東京オリンピック2020の延期が正式決定し、入手困難なマスクの奪い合いに人々がいら立ち、緊急事態宣言の延長に閉塞感を抱えていたあの頃。悪事に手を染めながら人間らしさを失わない人々を主人公にするミステリー作家の染井為人が、鬱々(うつうつ)とした当時の空気を再現する。コロナ禍のせいで人恋しさにマッチングアプリを始めた独身の女性会社員、進学校で落ちこぼれたまじめな男子高校生、親から受け継いだラブホテル経営が火の車になった一家の大黒柱。日常生活と懐事情が激変したごく普通の3人は、孤独と不安につけ込まれて泥沼にはまっていく。地獄行き片道切符のエピソードは、ニュースや週刊誌で見聞きしたことのあるような、ないような。「なぜその道を選ぶ?」と一歩引き気味で読み始めても、一人称の軽い文体とスピード感に巻き込まれ、“滅茶苦茶”すぎるクライマックスにのめり込んでいくこと必至。ポストコロナ時代に送り込まれた爽快なエンターテインメント小説。