無間人形 新宿鮫4~新装版~
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3.8 • 18件の評価
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発行者による作品情報
手軽でお洒落。若者たちの間で流行っている薬「アイスキャンディ」の正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島(さめじま)は、藤野(ふじの)組の角(すみ)を炙り出す。さらに麻薬取締官の塔下(とうげ)から、地方財閥・香川(かがわ)家の関わりを知らされる。薬の独占を狙う角、香川昇・進兄弟の野望……。薬の利権を巡る争いは、鮫島の恋人・晶(しょう)まで巻き込んだ。鮫島は晶を救えるか!? 直木賞受賞の感動巨編!
APPLE BOOKSのレビュー
第110回(1993年下半期)直木賞受賞作。日本を代表するハードボイルド作家、大沢在昌による刑事小説シリーズ『新宿鮫』の4作目。警察組織内の圧力や矛盾と戦い、孤立しながらも自らの信念を貫く新宿署の刑事、鮫島。彼が追うのは、わずか500円で手に入り、シルバーグレイのクールな見た目から若者の間で流行している錠剤「アイスキャンディ」だ。その正体は、少量の覚醒剤を含み、気軽に摂取する人々を気付かぬうちに沼に引きずり込む恐ろしい薬。急速に浸透させるための価格設定など、頭の切れる黒幕の存在を確信した鮫島は、麻薬取締官の塔下(とうげ)から暴力団幹部の角(すみ)の裏で暗躍する地方財閥、香川家の関与を知らされ、事件は思わぬ事態に発展していく…。鬼気迫る捜査で真相を追う鮫島、圧倒的な権力を持ちながら危険なビジネスにのめり込んでいく香川家の兄弟、持ち前の胆力と知恵で薬の独占を狙う角、ある偶然から事件に巻き込まれる鮫島の恋人、晶(しょう)。登場人物それぞれの思惑を丁寧に描き、感情と欲望が巧みに交錯していくストーリー展開が見事で、読者を一気に没入させる極上のエンターテインメント作品に仕上がっている。