牧野富太郎 なぜ花は匂うか
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- ¥1,300
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発行者による作品情報
日本植物学の父と呼ばれた牧野富太郎。花と植物の魅力の真髄を語った表題作、「私は植物の愛人」と軽口を飛ばしつつ研究人生を振り返る「植物と心中する男」などを精選。
APPLE BOOKSのレビュー
"日本植物学の父"と言われた学者、牧野富太郎の科学エッセイ「なぜ花は匂うか」。江戸時代末期の高知県に生まれ、小学校を2年で中退、野山で植物採取に明け暮れる幼少期を過ごした牧野は、東京帝国大学植物学研究室に入り浸り、遂には博士号まで取得したという異色の経歴の持ち主。本作は、94年の生涯で約50万枚の標本を採取し、2500種類以上もの植物を命名するなど多大な功績を残した彼が、植物に魅了され、一途にその愛をつづった一冊。興味を持った植物のためには古典をひもとき、海外の文化まで調べつくす飽くなき探究心。ツバキに対する執着、スミレへの薀蓄(うんちく)、ハスの探求など、日本古来の種から外来種まで幅広い植物に対する考察の数々が、日常よく目にする草花たちにまつわる新鮮な発見を与えてくれる。日比谷公園を全部温室にしたい、山を真っ二つに割って景観を整えたいなど、植物愛ゆえの大胆な発想の飛躍も面白い。植物という身近な存在に一度目を向けることは、現代の地球環境について考える機会にも繋がっていくだろう。