知の考古学
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4.5 • 2件の評価
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- ¥1,500
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発行者による作品情報
あらゆる領域に巨大な影響を与えたフーコーの最も重要な著作を気鋭が四十二年ぶりに新訳。フーコーが『狂気の歴史』『臨床医学の誕生』『言葉と物』を生み出した自らの方法論を、伝統的な「思想史」と訣別し、歴史の連続性と人間学的思考から解き放たれた「考古学」として開示する。それまでの思考のありかたに根底から転換をせまる名著が新たなすがたで甦る。
APPLE BOOKSのレビュー
20世紀後半を代表するフランスの哲学者であり、ポスト構造主義の旗手だったミシェル・フーコーが著した「知の考古学」。フーコーがこの本で唱える"考古学(アルケオロジー)"とは、哲学に限らずさまざまな領域で先人によって"語られたこと"を、偏見なく縦横無尽に掘り起こしていく研究方法のこと。複数の書物や批評を通じて、無意識のうちにつなぎ合わされたネットワークとシステムの結び目を丹念にほどき、常識や思い込みから自らを解放せよ、とフーコーは繰り返し迫ってくる。知の巨人の最も重要な著作ともいわれる本書を、42年ぶりに翻訳したのは気鋭のフランス思想学者・慎改康之。哲学初心者にも分かりやすく、全編にわたって平易な言葉で翻訳されているが、多くの読者はフーコーからの問いを受け取るたびに、幾度となく立ち止まり、自ら深く考えることを求められるだろう。著者はネット社会が発達する以前の1984年に亡くなったが、膨大な知識や情報が飛び交うIT時代の今こそ読み直したい。