破門
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4.1 • 34件の評価
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- ¥1,100
発行者による作品情報
「わしのケジメは金や。あの爺には金で始末をつけさせる」
映画製作への出資金を持ち逃げされた、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、なんと相手は本家筋の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込みあいとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが――。
第151回直木賞受賞作にして、エンターテインメント小説の最高峰「疫病神」シリーズ!
2016年12月刊行予定の、『破門』の続編『喧嘩』冒頭を収録した電子特別版!!
APPLE BOOKSのレビュー
第151回(2014年上半期)直木賞受賞作。シリーズ第1作『疫病神』、第2作『国境』でも同賞候補となった、建設コンサルタントの二宮と二蝶会のヤクザ、桑原がコンビを組む“疫病神”シリーズの第5作。建設現場での暴力団対策にヤクザを使う“サバキ”を生業にするも、ヘタレで貧乏な二宮は、二蝶会の若頭補佐でイケイケなヤクザの桑原と知り合ってからトラブル続き。“疫病神”と忌み嫌う桑原から、今度は映画製作の手伝いを頼まれる。映画プロデューサーの小清水が持ち込んだ企画には二蝶会の若頭、嶋田も出資しており、売れる映画にしなければならないのだ。だが、小清水は金を持ち逃げして愛人と失踪。桑原は二宮を巻き込んで小清水を追うが、格上の亥誠組ともめ事を起こしてしまう。亥誠組副本部長の滝沢は、桑原を不問にする代わりに映画製作委員会の手形の決済を迫る。二宮と桑原は小清水が潜伏するマカオに向かうが…。口の悪い桑原と、及び腰に見えて二言目には金をせがむ二宮。大阪弁による丁々発止のセリフの応酬が可笑しく、物語を転がす。臨場感あるマカオのカジノ描写、桑原の“破門”をかけたスリリングな展開など、読みどころ満載の娯楽小説。