超高速! 参勤交代
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3.9 • 17件の評価
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発行者による作品情報
ときは享保20年(1735)初夏、改革の嵐吹き荒ぶ8代将軍吉宗の時代。わずか1万5000石の磐城湯長谷藩に隠し金山の嫌疑がかかり、幕府老中から「5日以内に参勤せねば、藩を取り潰す」と難題をふっかけられた。若殿様以下7名は東国一の忍びの力を借りつつ、陸前浜街道、水戸街道、さらには山野を踏み越え江戸城本丸へ急ぐ。軽量化のため竹光しか持たない一行を阻む公儀御庭番と百人番所の精鋭。湯長谷藩の運命や如何!?
APPLE BOOKSのレビュー
藩の存続をかけ、超高速で参勤交代をするはめとなった小藩の藩主と家臣たちの道中を描いた人気作。陸奥国磐城に位置する小藩、湯長谷藩。四代藩主の内藤政醇は1年に及ぶ江戸勤めを終え、帰国したばかり。そんな折、藩が所有する金山の届け出に偽りを疑われ、申し開きのため江戸へと参勤を命じられる。しかし財政が厳しい小藩のため、莫大な参勤交代の費用を用意するどころか、先の参勤交代の借金がまだ残っている状態。しかも通常は急いでも8日はかかる道のりを、今日から5日以内に参勤せよとの無理難題。さりとて命に背けばお取りつぶしが待っている。忍びの道案内人を雇い、人員(通常100名のところ8名)も、荷物(武士の魂であるはずの刀は竹光)も最小限に抑え、野宿をしながら山道を江戸へと向かうことに。とはいえ参勤交代の威容も見せなくてはならないため、途中の宿場で日雇い中間を雇い入れ、人数をかさ増ししてから宿役人に見分させるという、博打のような計画。一方、政醇の参勤交代を阻止すべく、公儀隠密も動きだし…。 陽気で純朴な家臣たちと腹に一物抱えた忍びとのやりとりにクスリと笑わされ、政醇と恋に落ちる遊女の深い情けに涙を誘われる。小藩の奇想天外な作戦に胸躍る痛快ロードノベル。