送電線空容量ゼロ問‪題‬

電力は自由化されていない

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発行者による作品情報

2016年5月に北東北3県の送電線の空容量がゼロと表明されて以降、全国各地で新規の発電所の送電線への接続が難しくなり、再生可能エネルギーの普及やエネルギー政策の執行に大きな制約となってきました。

特に2017年後半、再生可能エネルギーの受け入れ制限や、新規発電所が負担する送電線の建設費用が膨大になることが、メディアで広く報道されると、政治を巻き込んだ大問題になりました。そして、この本の著者 山家公雄氏らの活動、メディアの報道により、実は公表データより送電線は空いていることが分かってきました。

その後、政府、電力会社等も送電線・系統の有効活用を約束し、2018年度より段階的に利用できることになったはずなのですが、その利用は大きな制限を受けたままです。電力系統への接続がただちにオープン、公平になることはなく、今後も問題解決に向けた紆余曲折が予想されます。

この本では、京都大学経済研究科特任教授、エネルギー戦略研究所株式会社所長、そして、山形県のエネルギ-アドバイザーとして、この問題に直接関わってきた著者が、問題の本質と、その解決策に迫るものです。

【目次】

はじめに:主役に躍り出た電力インフラ問題


第1章 送電線利用制約問題とは何か

1.1 送電線利用制約(電力インフラ)問題の経緯

1.2 送電線利用制約問題の背景と当面の対策

1.3 インフラ利用としての送電線制約問題

1.4 電力インフラ問題の本質:オープンアクセス


第2章 送電線空容量ゼロ問題の経緯と真相

2.1 東北4県、空容量ゼロの衝撃

2.2 緊迫の山形県エネルギー委員会

2.3 京都大学の反論「送電線は空いている」(2017年10月、2018年1月)

2.4 政府等の京大への反論「最大でも利用率は5割、重要なのは最大利用率」

2.5 送電線利用率20%は低いのか高いのか-政府等説明への疑問

2.6 広域機関の修正発表と新たに判明したこと


第3章 日本版コネクト&マネージと北東北募集プロセス

3.1 日本版コネクト&マネージ:疑似オープンアクセスと出力抑制

3.2 「北東北募集プロセス」で電力インフラを考える

3.3 北東北募集プロセスの展開


第4章 接続契約を拒否・解消することはできるのか

4.1 問題の所在と送電線空押さえ対策

4.2 改正FIT法での対応と残された論点


第5章 オープンアクセスと発電自由化

5.1 送電線の有効利用をどのように実現するか

5.2 米国・EUのオープンアクセス

5.3 日本で発電事業は自由化されているのか

5.4 オープンアクセスは自由化、再エネ推進の基盤


終わりに:ストランデッドコストとストランデッドアセット

参考文献

著者紹介

ジャンル
ビジネス/マネー
発売日
2018年
12月28日
言語
JA
日本語
ページ数
139
ページ
発行者
インプレスR&D
販売元
Impress Communications Corporation
サイズ
11.3
MB

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