零れるよるに(1)
-
-
4.7 • 3件の評価
-
-
- ¥600
-
- ¥600
発行者による作品情報
DVを受けていたよるは児童養護施設に保護される。周囲に馴染めずにいたよるを守ってくれたのは同い年の天雀だった。愛情を喪失した苦しみを分かち合う二人。よるの気持ちはやがて恋心へと変化していく。厳しい環境の中で世界から零れてしまわないよう支え合うよると天雀。暗闇に光は射すのか?
APPLE BOOKSのレビュー
児童養護施設で出会った高校生たちの青春を描く、痛切なラブストーリー。母親からDVを受けていた10歳の遠野夜(よる)は、保護された養護施設で同い年の天雀と出会う。共同生活の中で痛みを分け合う2人だったが、成長と共にその気持ちは変化する。16歳となり、2年後の退所を前に思いは揺れ動く。『パーフェクトワールド』の有賀リエが、当事者への綿密な取材をベースに描き出す物語。癖のない繊細なタッチで、虐待を受けた子どもたちのシリアスな環境を描写していく。しかし主題はあくまで恋。厳しい境遇の中で静かに燃え上がる、生涯ただ一度の思いが切なく胸を打つ。どんなに苦しくても支え合う2人の姿がいとおしく、共にいられるようにと願わずにいられない。