



魔眼の匣の殺人
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4.0 • 29件の評価
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- ¥850
発行者による作品情報
その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む九人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。その主であり、予言者として恐れられている老女は、来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。施設と外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちた後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。残り48時間、二人の予言に支配された匣のなかで、葉村と比留子は生き残って謎を解き明かせるか?! ミステリ界を席捲した『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾。/解説=大山誠一郎
APPLE BOOKSのレビュー
クローズドサークルのミステリーとしてベストセラーとなった今村昌弘のデビュー作『屍人荘の殺人』に続くシリーズ第2弾。神紅大学ミステリ愛好会の剣崎比留子と葉村譲が、前作に続き新たなクローズドサークルの事件の謎に挑む。屍人荘の事件から数か月、惨劇の発端となった謎の研究機関、班目(まだらめ)機関が約50年前に予知能力を研究していたとされる研究所の場所を剣崎と葉村は突き止める。班目機関の情報を集めるために、その地へ赴いた彼らを待ち受けていたのは、住人が消えた村、そしてかつての研究施設“魔眼の匣”とそこに住む被験者であった予言者の老女サキミだった。偶然にも魔眼の匣に閉じ込められてしまった剣崎、葉村含む男女9人に対して「あと2日のうちに、この地で4人死ぬ」と告げるサキミ。戦慄(せんりつ)の2日間が幕を開ける。逃げ場のない暗澹(あんたん)とした空気が漂う中、次は自分が死ぬかもしれない恐怖が彼らを追い詰めていくスリリングな展開に固唾(かたず)をのむ。予言というオカルト要素とロジカルな謎解きという相反する題材がうまく絡み合い、最後の最後まで先が読めないエンターテインメントミステリー。