黄金虫 黄金虫

黄金‪虫‬

    • 3.8 • 25件の評価

発行者による作品情報

もうよほど以前のこと、私はウィリアム・ルグラン君という人と親しくしていた。彼は古いユグノー(2)の一家の子孫で、かつては富裕であったが、うちつづく不運のためすっかり貧窮に陥っていた。その災難に伴う屈辱を避けるために、彼は先祖の代から住み慣れたニュー・オーリアンズ(3)の町を去って、南カロライナ州のチャールストンに近いサリヴァン島に住むことになった。

ジャンル
小説/文学
発売日
1955年
8月16日
言語
JA
日本語
ページ数
68
ページ
発行者
Public Domain
販売元
Public Domain
サイズ
50.3
KB

カスタマーレビュー

'U'MA

大発見を成し遂げたい人へのガイドブック

アランポーの代表作の中では最もポップな作品に違いない。
推理小説ファンはもちろん、普通の読者をも大いに惹きつける魅力がある。

ボケ老人によるお宝の大発見というトンデモ事態を先に置いて、後半はその説明に充てるという構成もまた、読者をグイグイ惹きつける要因だ。

そのボケぶりを前半に強調するのは、読者への心理的なミスリードとして上手く機能している。

何かの大発見には偶然以上のさまざまな要因がある、というのがこの小説のテーマに思える。

この話では、最初は炙り文字に見られるよう、偶然の連鎖・シンクロニシティである。
次に暗号解読をもたらした徹底的に合理的なアプローチ。
謎が残ったら今度は行動力を発揮。足と耳で真相に近づく。

そして決め手は確信に基づく執着心である。
一度掘り返してダメでも、すぐに間違いに気づきやり直す。そしてお宝発見になる。
これが出来たのは、それまでのリサーチがしっかりしていて、多くの点でその掘り返す場所に条件が合致していたからである。

『黄金虫』は一級の推理小説であるばかりか、大発見をなし得たい人への知的ガイドブックでもある。
そして大発見だけでなく、真相を導き出す思考術、方法論としてもお手本になる小説である。

エドガー・アラン・ポー短編集 エドガー・アラン・ポー短編集
2015年
四つの署名 四つの署名
1953年
星の河 女だてら 麻布わけあり酒場9 星の河 女だてら 麻布わけあり酒場9
2013年
町の灯り 女だてら 麻布わけあり酒場10 町の灯り 女だてら 麻布わけあり酒場10
2013年
ロード・エルメロイII世の事件簿 6 「case.アトラスの契約(上)」 ロード・エルメロイII世の事件簿 6 「case.アトラスの契約(上)」
2017年
江戸川乱歩大全:怪人二十面相、人間椅子、赤い部屋、押絵と旅する男、D坂の殺人事件 他 江戸川乱歩大全:怪人二十面相、人間椅子、赤い部屋、押絵と旅する男、D坂の殺人事件 他
2018年
エドガー・アラン・ポー全集 エドガー・アラン・ポー全集
2015年
モルグ街の殺人事件 モルグ街の殺人事件
1841年
黒猫 黒猫
1843年
アッシャー家の崩壊 アッシャー家の崩壊
1839年
Edgar Allan Poe's Complete Poetical Works Edgar Allan Poe's Complete Poetical Works
2010年
盗まれた手紙 盗まれた手紙
1955年
奇巌城 奇巌城
1932年
小栗虫太郎全集 小栗虫太郎全集
2015年
ルンペルシュチルツヒェン ルンペルシュチルツヒェン
1953年
人形の家 人形の家
1956年
モウリス・ルブラン全集 モウリス・ルブラン全集
2015年
おおかみと七ひきのこどもやぎ おおかみと七ひきのこどもやぎ
1953年