龍馬脳のスス‪メ‬

APPLE BOOKSのレビュー

脳科学者・茂木健一郎が幕末時代の風雲児・坂本龍馬の思考法を分析して10のレッスンにまとめた「龍馬脳のススメ」。本書では、相次ぐ有名企業の倒産や破綻などによって先行き不透明となった現代を幕末時代になぞらえ、そんな時代だからこそ、明治維新の原動力になった坂本龍馬の "自分で未来を切り開く生き方" を手本にしようというメッセージが込められている。坂本龍馬の行動原理を脳科学的アプローチから、いかに理にかなっていたかを現代風にアレンジして解説し、ときにナイチンゲールや長嶋茂雄といった実在の人物たちの生き方と照らし合わせながら、自身の能力の伸ばし方を説明している。その一つひとつはコミュニケーション論だったり、セルフプロデュース論だったりと非常に具体的で明確。たとえば、龍馬の脱藩を現代でいうフリーランスと見立て、組織に頼らずに生きていく方法、そして脳科学的にもそれが大きな成長につながることを説いている。今の自分の生き方に疑問を持ち、力を注ぐ活動でもっと突き抜けた結果を出したいと考えている人におすすめの1冊。