DAYS(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

「一瞬の風になれ」「振り向くな君は」などスポーツを題材にした作品を得意とする安田剛士が描くサッカーマンガ「DAYS (1)」。体も小さく、足も遅く、要領も悪い主人公の柄本つくしが、名門高校のサッカー部で自分の居場所を見つけていく物語。実は、つくしが素晴らしいセンスの持ち主だった ー などという展開にはならず、チームの足を引っ張り、仲間たちにも迷惑をかける。けれども決して諦めず、人の見ていないところで懸命に基礎練習に励み、仲間のために嫌なことを引き受ける、そんな彼の熱さと真摯さが全編にわたり描かれていて、天性の素質を持つ人物がライバルと切磋琢磨しながら一流選手になっていくというサッカーマンガの王道とは異なるストーリー展開が楽しめる。誰にも負けない情熱が武器となり、人を動かし、勝敗を左右するのだということを強く実感できる。サッカーに興味がなくルールも知らないという人にもおすすめ。