離婚
-
-
3.8 • 4件の評価
-
-
- ¥460
-
- ¥460
発行者による作品情報
「ことさら深刻ぶるのはよそうぜ」などとカッコいいせりふを吐いてぼくたち二人はおたがい納得して「離婚」したのです。ところがどこでどうなってしまったのでしょうか、ぼくはいつのまにか、「もと女房」のアパートに住みついてしまって……。男と女のふしぎな愛と倦怠の形を、味わい深い独特の筆致で描き出した第七十九回直木賞受賞作品。さらに表題作の続篇の形で書かれた「四人」「妻の嫁入り」、前篇ともいえる「少女たち」の三篇を併録した。
APPLE BOOKSのレビュー
第79回(1978年上半期)直木賞受賞作。男女が織りなす、複雑な愛の形を描いた色川武大の『離婚』。羽鳥誠一と会津すみ子の出会いから結婚、そして離婚、さらには離婚後の付かず離れずの二人を描いた直木賞受賞作の表題作と続編「四人」「妻の嫁入り」の連作集、そしてあるライターの事務所に出入りする若い女たちを描いた「少女たち」の4作品を収録。奔放で危うく、男性に依存する体質のすみ子と結婚した物書きの“ぼく”は6年の結婚生活の末、二人とも縛られる関係が苦手かつ、それぞれの方向性の違う自由さに嫌気がさし、離婚する。しかし、嫌い合って別れたわけではない“ぼく”とすみ子は結局お互いを必要とし、なれ合いの自堕落で奇妙な関係を続けていく。“ぼく”は元妻の部屋の高い家賃を払い続け、彼女は元夫の家にやって来ては世話を焼き、関係を持つ。昭和の文化や風俗がうかがえるのも興味深いが、結局のところ時代背景が違っても男女の面倒くさい関係は今も昔も変わらないのだと楽しみながら読める作品。