傲慢と善良
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4.1 • 765件の評価
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- ¥850
発行者による作品情報
婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》
APPLE BOOKSのレビュー
『かがみの孤城』『ツナグ』など多くのベストセラーで知られる辻村深月が、登場人物の恋愛や婚活から人間の傲慢さと善良さをあぶり出すヒューマンミステリー。ストーカーの被害に遭っていた婚約者の坂庭真実がこつぜんと姿を消した。事件に巻き込まれたと心配した西澤架は、彼女の地元を訪れ、彼女の家族や友人、関係者、そして過去に彼女がお見合いをした男性たちにまで話を聞いて回る。そこで見えてきた、田舎特有の価値観の中で育った彼女の過去、そして本当の姿…。恋愛やお見合い、結婚という究極の人選の局面で見え隠れするのは、辛辣(しんらつ)な他人への評価、自己愛、プライド、共依存、偏見、ねたみ。現代に生きる人間の複雑に絡み合った本質をシビアに描写しながら、核心へと迫っていく。本作を読み終えた後には、クロスオーバー作品も手に取ってほしい。早苗と力の親子を描く『青空と逃げる』、そして地域活性デザイナーの谷川ヨシノが登場する『島はぼくらと』を読めば、本作の世界をより深く感じられるかもしれない。
カスタマーレビュー
婚活
最後は、一緒になるだろうなと思っていたけど・・・
傲慢で善良な僕
1ヶ月前、彼女と付き合い始めました。
2歳年上の元同僚。週に2〜3回会える日々は、本当に幸せでした。
でも1週間ほど前から、返信が減り、距離を感じるように。
心当たりはない。でも、何かが変わったのは分かりました。
そんな中で出会った1冊の本。読みながら届いたのは、彼女からの「今度話がある」というLINE。
察してしまったけど、信じたくなかった。
ただ好きで一緒にいた。でも彼女は、もっと先――“結婚”を見ていたのかもしれない。
この本を通して、自分の未熟さや傲慢さに気づかされました。
「LINEでいいよ」と送ったのは、傷つくのが怖かったからです。
偶然のようで必然だったこの本との出会いに、心から感謝しています。
これからどうなるかは分かりませんが、自分と向き合いながら進んでいこうと思います。
一気読みした
心の中の状況を言語化するのが上手すぎる辻村さん、、、、