そして、バトンは渡された
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- ¥800
発行者による作品情報
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、
出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
解説・上白石萌音
※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
APPLE BOOKSのレビュー
『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を受賞した瀬尾まいこが描く、一人の少女の青春と家族の物語『そして、バトンは渡された』。父親が3人、母親が2人。17年間で家族の形が7回も変わった高校生の女の子、優子。今は2人目の母の再婚相手として出会った37歳の森宮さんと2人暮らしをしている。周りから見ると複雑な家庭環境だけれども、悲観することもなく、淡々と少し冷めた目で自分自身を見つめながら、森宮さんと食卓を囲む日々。第1章の冒頭、「困った。全然不幸ではないのだ」という優子の言葉通り、物語は一貫して穏やかで優しく、幸せに満ちた雰囲気の中進んでいく。おいしそうなご飯と、暖かな光が差しこんでくるような言葉たち。そして、優子を見守る不器用な大人たちの眼差し。つながれてきた家族の愛のバトンに優子が気づく時、彼女と共に読者もほがらかな気持ちで心がいっぱいになるだろう。幅広い読者に愛されていくであろう名作。
カスタマーレビュー
やっぱりよかったぁ〜
親がコロコロ変わるなんて耐えられない暗〜い設定になりそうなのに、重くない。相変わらず悪人はいない。いい具合に軽くい。でも最後は涙、涙で読み終わった
ブックカバーの緑と、オレンジのバトンの上に女の子の顔がちょこり。かわいい〜
瀬尾まいこさん、大好き!
父親
読後にスッキリした感覚が!
終わり方は本のほうが好き
2018年の本屋大賞受賞作。
映画が面白かったので、その後に本も読了。本もよかった。が、映画→本の順番はやめた方がいいと気づく。映画のイメージが強く残るため、読書時の想像力が働きにくくなる。
主人公は学生の優子。さまざまな事情で、親が代わり、家族の形態が変わっていく。他人同志の愛情、心の動きを追う。現実的にはなかなかない設定だけど、そう感じさせない展開の妙。
血縁関係ではない親と子のコミュニケーション。リアリティに欠けるかなと思うところと、あ、それは自分の中の感情の掘り起こし方が足りないのかなと思うところがあった。
最後の終わり方は本のほうが好き。本屋大賞にふさわしい人間模様の描き方と暖かさに包まれた一冊。
読了2023/4/29 感想5/12